この記事を読むことで、「ダイ(DAI)はどのような仮想通貨なのか」を、理解することができます。また、ダイ(DAI)が購入できる取引所や販売所についてもまとめていますので、参考にして下さい。
「ダイ(DAI)」とは
「ダイ(DAI)」は、暗号資産(仮想通貨)を担保とするタイプのステーブルコインで、USドルと連動するように設計されています。
※この後は、暗号資産(仮想通貨)を、暗号資産とかきます。
また、「ダイ(DAI)」は、イーサリアムの規格『ERC-20規格(Ethereum Request for Comments)』で開発されています。そのため、イーサリアムに対応したアプリやサービスで管理することができることが、大きなメリットです。
通貨単位(シンボル) | DAI |
---|---|
ローンチ | 2017年12月 |
発行枚数上限 | 上限なし |
時価総額ランキング | 14位 ※2022年 現在 |
公式サイト | https://makerdao.com/ja/ |
@MakerDAO | |
WhitePaper | https://makerdao.com/ja/whitepaper |
「ダイ(DAI)」の通貨単位はDAI。現在の、「ダイ(DAI)」の価格やランキングは次のようになっています。
「ダイ(DAI)」の歴史
「ダイ(DAI)」のホワイトペーパー発表からローンチ、これまでの歴史は次のようになっています。
- 2014年
- MakerDAO設立
- 2017年12月
- 公式ホワイトペーパー発行、イーサリアムブロックチェーン上にローンチ
- 2019年11月
- 複数の資産を担保とするMulti-Collateral(複数担保)への移行実施、担保にBATを追加
- 2020年3月
- USDCを新たな担保対象として追加
ちなみに、「ダイ(DAI)」のホワイトペーパーは、日本語版も公開されています。気になる方は、ぜひご覧になってみてください。
「ダイ(DAI)」の特徴
ここからは、「ダイ(DAI)」の特徴についてみていきましょう。
「ダイ(DAI)」は、暗号資産を担保とするタイプのステーブルコインです。
「ダイ(DAI)」には、次のような3つの特徴があります。
- イーサリアムブロックチェーンで稼働する暗号資産
- 暗号資産を担保とするステーブルコイン
- 非中央集権型で誰でも発行できる
それぞれについて、詳しくみていきましょう。
イーサリアムブロックチェーンで稼働する暗号資産(仮想通貨)
「ダイ(DAI)」は、イーサリアムブロックチェーンで稼働するタイプの暗号資産です。
「ダイ(DAI)」は、イーサリアムの規格である『ERC-20』を利用しています。そのため、イーサリアムに対応したアプリやサービスで管理できるという特徴があります。
マイナーな暗号資産だと、対応しているウォレットが少ないこともあります。
「ダイ(DAI)」のようにイーサリアム規格に対応した暗号資産であれば、Atomic、MyEtherWallet、Metamask、Exodus、Jaxx、Mist、Trustなどの『ERC-20』互換のさまざまなウォレットに保管することができます。
暗号資産を担保とするステーブルコイン
「ダイ(DAI)」は、USドルと価格が同じくらいになるように運用されている「担保型のステーブルコイン」です。
ステーブルコインの詳細については、次の記事をご覧ください。
ステーブルコインとして有名な「テザー」はUSドルを担保としていますが、「ダイ(DAI)」の担保は、暗号資産。また、「テザー」などのステーブルコインの多くが中央集権型であることに対し、「ダイ(DAI)」は非中央集権型であることが大きな特徴です。
ローンチ直後は、「ダイ(DAI)」の担保とできる暗号資産はイーサリアムだけでした。
2019年11月、イーサリアム以外の暗号資産(仮想通貨)が担保として利用できるようになりました。今では、イーサリアムだけでなく、「ベーシックアテンショントークン(BAT)」や、「USD Coin(USDC)」を担保にできるようになっています。
2019年10月までのイーサリアムのみを担保とする旧バージョンの「ダイ(DAI)」は、現在の「ダイ(DAI)」と区別するため、「SAI(Single-Collateral Dai)」とよび、区別をしています。
「ダイ(DAI)」の価格安定メカニズム
「ダイ(DAI)」はどのようにして、価格を安定させているのでしょうか?
「ダイ(DAI)」は、1ダイ=1USドルになるように自動的に運用されています。
1ダイ=1USドルならば、1ダイを発行するためには1USドル分の暗号資産を担保にすればよさそうですよね。けれど実際は、1ダイを発行するためには、1USドル以上の担保が必要です。
暗号資産は、ボラティリティ(価格変動)が大きいことは有名です。
もし、担保の暗号資産の価格が下がってしまうと、担保の価値は1USドルより少なくなってしまうかもしれません。そのため、担保の暗号資産の価格が下がったとしても、「ダイ(DAI)」の価格が安定するように、1USドル分以上の仮想通貨を担保としているのです。
それでも、暗号資産の価格が大きく下がるったときには、1USドルを割り込む可能性もあります。その対応策として、ダイ(DAI)の担保となる暗号資産の価格が一定水準を下まわったときには、強制的に清算できる仕組みをそなえています。
「ダイ(DAI)」にはTRGM ( Target Rate Feedback Mechanism )とよばれる、目標レートを自動的に調整するメカニズムがあります。もし、ダイ(DAI)」の市場が不安定になったときは、このメカニズムが作動して、自動的に調整します。
TRFMは、「ダイ(DAI)」の価格が、1USドルを下回ると目標レートを上げます。逆に、価格が上回ったときは目標レートを下げます。このようにして、「ダイ(DAI)」の需要と供給をコントロールすることで、自動的に価格を調整するのです。
このようにさまざまな仕組みにより、「ダイ(DAI)」は価格の安定を実現しています。
非中央集権型で誰でも発行できる
ビットコインやイーサリアムは、マイニングによって発行されます。
それに対し、「ダイ(DAI)」は、マイニングではなく仮想通貨を担保として発行します。
どのように「ダイ(DAI)」が発行されるかというと、「Makerプロトコル」にある「Maker Vault」に、ユーザの担保資産を預け入れることでダイ(DAI)は自動的に生成されます。生成されたダイ「ダイ(DAI)」は、ほかの暗号通貨とに同じように使うことができます。そして、ユーザが「ダイ(DAI)」を返済すると、ユーザに担保が返却されて「ダイ(DAI)」は償却されます。
「ダイ(DAI)」の発行は、この「Makerプロトコル」により自動的に行われます。そして、「Makerプロトコル」は、「Maker Vault」に預けられた担保資産をつかって「ダイ(DAI)」の安定性を保っています。
このように、「ダイ(DAI)」の発行と償却は、非中央集権型で自動的におこなわれているのです。
「ダイ(DAI)」が購入できる取引所・販売所
日本国内では、GMOコイン、コインベスト(CoinBest)の取引所・販売所で「ダイ(DAI)」を購入することができます。
名前 | 取引所 | 販売所 |
---|---|---|
GMOコイン | ー | 〇 |
コインベスト(CoinBest) | 〇 | 〇 |
「ダイ(DAI)」のチャート
「ダイ(DAI)」のチャートです。
チャートをみると、「ダイ(DAI)」は価格変動がほとんどないことがわかります。
「ダイ(DAI)」に対応したウォレット
「ダイ(DAI)」に対応した、主なウォレットです。
「ダイ(DAI)」のまとめ
ほかのステーブルコインと違い、非中央集権型の「ダイ(DAI)」は、注目されている暗号資産の1つです。また、担保を預け入れることで誰でも発行することができることは、「ダイ(DAI)」の大きな特徴です。
この他にも「ダイ(DAI)」は暗号資産なので、ドルや円などの法定通貨とくらべると送金がしやすいというメリットがあります。また、他の暗号資産と比べると価格が安定しているので、法定通貨のように、決済手段としても使いやすいというメリットもあります。
そして、DSR(Dai Saving Rate)により、「ダイ(DAI)」を預け入れることで金利を得られる仕組みもあります。(貯金をして金利がつくようなイメージです)。
このように「ダイ(DAI)」は、暗号資産でありながらボラティリティ(価格変動)が少なく、通貨として使いやすく設計されています。
とはいえ、仮想通貨を担保としている以上、仮想通貨の価格が大きく下がったときのリスクはあります。
非中央集権型の「ダイ(DAI)」が、どこまで安定した価格を維持していけるのか。期待の気持ちもこめて、注目していきたいと思います。
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