この記事は、暗号資産(仮想通貨)「アバランチ(AVAX)」について、初心者にもわかりやすく解説しています。
この記事を読むことで、「アバランチ(AVAX)とはどのような暗号資産(仮想通貨)なのか」を、理解することができます。
また、「アバランチ(AVAX)」が購入できる取引所や販売所についてもまとめていますので、参考にして下さい。
「アバランチ(AVAX)」とは
アバランチ(AVALANCHE)は、dApps(分散型アプリケーション)と自律型ブロックチェーンを構築するためのオープンソースプラットフォームです。
ニューヨークに拠点を置くチーム「Ava Labs」により開発されています。
そして、アバランチは有力なイーサリアムキラーの1つでもあります。
通貨単位(シンボル) | AVAX |
---|---|
ローンチ | 2020年9月 |
発行枚数上限 | 720,000,000AVAX |
時価総額ランキング | 16位 ※2022年 現在 |
コンセンサスアルゴリズム | PoS(Proof-of-Stake) |
開発 | Ava Labs |
公式サイト | https://www.avax.network/ |
ホワイトペーパー | https://www.avalabs.org/whitepapers |
@avalancheavax |
アバランチの通貨単位は「AVAX」。現在の、アバランチの価格とランキングは次のようになっています。
「アバランチ(AVAX)」の歴史
アバランチの歴史は、次のようになっています。
- 2018年5月、
- 匿名のグループ「Team Rocket」が、新たな構造のコンセンサス『Snowコンセンサス』を公開
- 2019年
- AVAXトークンのシードセールが開催される
- 2020年9月
- ローンチ
- 2021年7月
- アバランチブリッジローンチ
- 2022年6月
- アバランチブリッジがビットコインをサポート
「アバランチ(AVAX)」の特徴
ここからは、「アバランチ(AVAX)」の特徴についてみてみましょう。
「アバランチ(AVAX)」には、次のような特徴があります。
- イーサリアムと互換性がある
- ブロックチェーン処理が高速
- 3つのブロックチェーン
それぞれの特徴を、詳しくみていきましょう。
イーサリアムと互換性がある
アバランチは、イーサリアムと互換性があります。
ある環境で開発されたアプリケーションを、違う環境に移行することは簡単ではありません。一般的には、新しい環境にあわせてアプリケーションを作り直す必要があります。
つまり通常、イーサリアムのアプリケーションを異なるブロックチェーンで動かすためには、アプリケーションを作り直す必要があるのです。
アバランチでは、イーサリアムが開発したプログラミング言語「Solidity」や、イーサリアムのスマートコントラクトを開発するための統合開発環境「Remix」、イーサリアムアプリケーション開発のためのフレームワーク「Truffle」などをサポートしています。
このように、アバランチはイーサリアムとご互換性があるため、イーサリアムで開発されたアプリケーションをアバランチで動かすことができます。
イーサリアムでは、既に多くのアプリケーションが稼働しています。
このようなイーサリアム上のアプリケーションを、アバランチで動かす場合に、プログラムを修正することなくアバランチで動かすことができることは大きなメリットです。
さらに、アバランチでスマートコントラクトを開発するコストは、イーサリアムの1/10と言われていて、開発コストを少なくできることも、メリットの1つです。
ブロックチェーンの課題に、「インターオペラビリティ問題」があります。
これは、異なるブロックチェーン同士に互換性がないために起こります。例えば、ビットコインをそのまま、イーサリアムのブロックチェーンで取り扱うことはできません。
アバランチは、アバランチブリッジ(AB)により、イーサリアムとアバランチのブロックチェーンの間で、簡単に資産を移動させることができます。
2022年6月にはビットコインのサポートを開始。ERC-20規格のトークンとビットコインをそのままをアバランチで使うことができるようになりました。
ブロックチェーン処理が高速
アバランチのブロックチェーン処理は非常に高速です。
例えば、ビットコインは7TPS、イーサリアムは14TPSですが、アバランチは4,500TPS。1秒間に4500トランザクションを実行することができます。
つまり、ビットコインの約643倍、イーサリアムの約321倍もの処理を行うことができるのです。
また、1トランザクションが確定するまでの時間は、ビットコインが60分、イーサリアムは6分に対し、アバランチは1秒以内と非常に高速です。
アバランチは、どのようにして高速な処理を実現しているのでしょうか?
アバランチには、「アバランチコンセンサス」と呼ばれる独自のコンセンサスアルゴリズムがあります。
「Classical」コンセンサスはスピードは速いが、2つの欠点があるため実現不可能と言われていました。
「Classical」の問題を解決したのがビットコインの「Nakamoto」コンセンサスでした。けれど、「Nakamoto」コンセンサスにも欠点があります。速度が遅く、エネルギーを大量に消費し、取引を完了するまで非常に長い時間がかかるのです。
「Classical」コンセンサスの利点と「Nakamoto」コンセンサスの大規模な分散化をすべて備え、かつ、「Classical」プロトコルを確率的に振る舞うように一般化し、その結果として大規模な性能向上を得られることを証明したのがアバランチです。
下の表のように、アバランチのコンセンサスは、それぞれの利点をもつコンセンサスアルゴリズムなのです。
出典:https://medium.com/avalancheavax/avalanche-consensus-101-99c68a3e3159
ビットコインやイーサリアムなどの既存のブロックチェーンは、全てのノードが同一のデータを保有します。そのため、トランザクションに不正がないか確かめるために非常に時間がかかります。
けれど、アバランチの場合は、全てのノードが同じデータを保有する必要がないため、ビットコインやイーサリアム等のブロックチェーンと比べて処理速度が早いのです。このようにして、アバランチは処理の高速化を実現しています。
3つのブロックチェーン
アバランチには、3種類のブロックチェーンがあります。
それぞれ、プラットフォームチェーン(P-Chain)、エクスチェンジチェーン(X-Chain)、コントラクトチェーン(C-Chain)と呼ばれています。
出典:https://docs.avax.network/overview/getting-started/avalanche-platform
これら3つのブロックチェーンはすべて、プライマリネットワークと呼ばれるすべてのアバランチバリデータによって検証され、保護されています。
プラットフォームチェーン(P-Chain)
P-Chainはアバランチのメタデータブロックチェーンで、バリデータとカスタムサブネットを管理します。P-Chainでは、Snowmanコンセンサスプロトコルを実装しています。
エクスチェンジチェーン(X-Chain)
X-Chainは、AVM(Avalanche Virtual Machine)のインスタンスです。
アバランチのトークンであるAVAXのようなデジタル資産が作られ、そして、交換されるためのブロックチェーンです。X-Chainは、デジタルアセットを作成・取引するための分散型プラットフォームとして機能します。
コントラクトチェーン(C-Chain)
C-Chainは、スマートコントラクを作成、実装するためのブロックチェーンです。
EthereumVMをベースとしていて、イーサリアム互換のアプリケーションやアセットを作成することができます。
C-Chainは、P-Chainと同じく、Snowmanコンセンサスプロトコルを実装しています。
「アバランチ(AVAX)」が購入できる取引所・販売所
日本国内で「アバランチ(AVAX)」の取引、購入ができる、主な取引所・販売所です。
※五十音順
名前 | 取引所 | 販売所 |
---|---|---|
OKコイン | 〇 | 〇 |
DMMビットコイン | 〇 | ― |
「アバランチ(AVAX)」のチャート
「アバランチ(AVAX)」のチャートです。
「アバランチ(AVAX)」に対応したウォレット
「アバランチ(AVAX)」に対応した、主なウォレットです
「アバランチ(AVAX)」のまとめ
「アバランチ(AVAX)」の特徴をまとめると、次のようになります。
- イーサリアムと互換性がある
- ブロックチェーン処理が高速
- 3つのブロックチェーン
ブロックチェーンの課題といわれている、システムやネットワークの負荷が増えたときに柔軟に対応できるスケーラビリティ(拡張性)、そして、インターオペラビリティ(相互接続性)に対応しています。
また、イーサリアムと互換性があるため、既にイーサリアム上で動いているアプリケーションを簡単にアバランチで動かすことができます。さらに、ブロックチェーンの処理は、イーサリアムより遥かに高速です。
他のイーサリアムキラーと同様に、どこまでイーサリアムのユーザを取り込むことができるのか。
さらに、新たにアプリケーションを開発する人たちが、イーサリアムや他のイーサリアムキラーではなく、アバランチをプラットフォームに選ぶのかで、アバランチの今後は大きく変わる可能性があります。
日本国内でも、OKCOIN、FTX Japanに続いて、DMM Bitcoinが AVAXの取扱をスタートしました。今後、取引所が増えていく可能性があり、AVAXの取引しやすくなることが予想されます。
このあたりからも、アバランチ(AVAX)が注目されていることがわかりますね。
個人的には、ソラナに続いて興味をひかれる暗号資産です。